| 発端はどうであれどんな戦争も前線では殺し合いだ。兵士は勿論、近代戦争では子どもや女も含め総力戦になりやすい。そして、戦争は歴史を動かす。高校時代の日本史や世界史の教科書はあたかも戦争の歴史のようだった。
文学や映画も、戦争を取り上げ咀嚼しようとしてきた。レマルクの「西部戦線異状なし」や大岡昇平の「野火」がそうだ。映画では、「プラトーン」「戦場の勇気」、邦画では最近作「プライド」など。
ベトナム戦争を告発するアメリカ映画は多いが、「プライベート・ライアン」(原題:Saving
Private Ryan)の背景は、第2次大戦。1944年ノルマンディー上陸作戦が始まり、ドイツ占領下のフランスに上陸したジョン・ミラー大尉(トム・ハンクス)ら8人の精鋭に、行方不明のライアン二等兵を探し出し故郷の母の元へ返してやれとの指令が下る。ライアン二等兵にどんな価値があるのか?
スピルバーグ監督は、烈しい戦闘シーンを克明に描く。あまりにも残酷でリアルな描写なので、17歳未満入場禁止に格付けされている。俳優たちは基礎軍事訓練キャンプに入隊し、2カ月間特訓を受けたという。
「シンドラーのリスト」で知られるスピルバーグ監督の代表作になることは間違いない。本年度アカデミー賞最有力作品。 |